レースレポート@長野マラソン
レース/大会今まで努力してきたすべてがゴールにある
いよいよ初マラソン、長野マラソンのスタート。
サブ3.5のタイム目標と、初マラソンを目一杯楽しむことというファンラン要素の両方を目指した欲張りランで挑んできました。
思い入れが強すぎて、またいつもにも増して長々としたレポートになってしまいましたが、お時間のある方はご覧ください。
スタート
JogNote仲間にお勧めされたエネルギー切れ対策の切り札(?)、カステラをおなかにためたり、ストレッチを念入りに行ったり、ウェストポーチにはエネルギー補給用のピットインもセット。準備万端の状態でスタート地点に並ぶ。
あれ、スタートに並ぶ直前にトイレに行ってきたにもかかわらず、またトイレに行きたくなってきたぞ? 最後に飲んだアクエリアスの一口か? どんだけ緊張しているんだ、自分(汗)。 汗で水分を放出すれば納まるだろうか??
それはともかく、役員の開会宣言、招待選手の紹介、とスタートの時間は刻々と迫ってくる。そして高橋尚子さんの元気いっぱいの挨拶でテンションも最高峰に。いよいよ42.195kmの旅が始まる!
そしていよいよスタートの号砲、、、もまったく動き出す気配無し。これが8000人規模の大会のスタートか。しかも動き出したと想ったらすぐに止まる。スタート地点でQちゃんがエールを送っているから、そこでみんな立ち止まっちゃうんだろうな、きっと。
結局スタート地点にたどり着くまで3分10分のロス。せいぜい1,2分と見ていたので、予想以上のロスだ。8000人でこれだとすると、3万人て想像を絶するな。
目一杯レースを楽しむ(序盤〜10km)
沿道は噂に違わぬ応援のすごさ。とぎれない観客、和太鼓に吹奏楽に聖歌隊。ホントに街を挙げてのお祭り状態。つられてテンションも上がってきます。
序盤はとにかく極力沿道側を走るようにする。車線が変更になって沿道が反対側になってもも、多少のロスは覚悟の上でそちらに移動する。
ひとつは距離表示を見落とさないため。といってもこれは二次的な理由に過ぎない。本当の理由は歓声をとにかく近くで浴びるため。そしてチャンスがあれば、可能な限り応援の皆さんとハイタッチを実施する。レースでハイタッチを行ったのは初めてだったが、これは最高に気分がいい! 今日はタイムもさることながらとにかく楽しむのだ!
それと今日の暑さは尋常じゃないので、給水だけはこまめにとっておく。スポーツドリンクをのどに流し込み、水は頭からかぶる。ポイントによってはスポンジも配置されているのが、本格レースっぽくてテンションを上げてくれます。
10km通過。通過タイムは49分53秒。ほぼ50分。キロ5分ペースです。まずいな。キロ5分では3時間半にギリギリで届かないペース。距離に不安のある私は、前半で貯金を作っておかないとならないというのに。
10km〜ハーフ地点
11kmポイント。ここで決断。余力のある今のうちにトイレに駆け込んで置くことにする。後半のふらふらの状態でリズムを狂わされたら、きっと二度と取り戻せない。今なら、多少のロスがあっても取り戻せるだろう。後半の余裕のない状態の時に、余計なことに気を散らせたくないので、後半の憂いは今のうちに取り除いておこう。運良く空いているトイレがあったので、おそらく1分くらいのロスですんだはず。
それからAllSportsの撮影ポイントを発見。めいっぱい手を振ってアピールする。いつもは、苦悶の表情の写真ばかりだが、事前に「この先撮影中」案内があったこともあり、今日は笑顔の写真が少しは多く撮ってもらえたんじゃないだろうか?
そして、エムウェーブ内で高橋尚子を発見、、、するも、気づくのが少し遅れたため、ハイタッチをしようとしたものの空振り。うーむ悲しい。しかし、Qちゃんは最後尾からスタートしたはずだが、追い抜かれた記憶はない。どうもレースとしてではなく、ほんとに先回りをしているようだ。
折り返し通過。1時間41分何秒か。目標では1時間40分で折り返さればと考えていたので、やはり少し遅れたか。スタートロスが予想以上に大きかったのと、予定外のトイレロスが発生したからな。それを考えれば、まずまずともいえるか。
試練の区間(ハーフ地点〜33km手前)
いよいよ後半戦。レースとしては初体験の領域に突入。
東京マラソンで初フル、サブ4を達成した会社の同僚は、「30kmまではあっという間、そこから先は気力の勝負」と言っていたが、いつもの練習どおりやはり20kmから既に脚は硬直し始める。ラップもじわりじわりと落ち始め、1km5分を超えるラップも徐々に増えてくる。後半の落ち込みを考えると、この時点でぎりぎりラインのkm5分では、貯金がちと厳しいぞ?
実はこの間、少し体調(というかおなかの調子)も変でした。このくそ暑いのに、腕に鳥肌が立っているってどうよ!? またトイレに駆け込まなきゃいけないのか? この状態でそのロスは痛い。というか、ちょうどトイレの数も減ってきたあたりということもあって、それもまた不安。ただ、波があって常にではなかったのが幸い。トイレの看板が見えたあたりでは、集中力を取り戻したせいか、自然回復したのか、気にならなくなっていました。ふぅ、やれやれ。そういえば、前もなんかのレースでこんなことあったような? プレッシャーがお腹に来るタイプなのかな??
とにもかくにも何とか復活はして、30kmは通過。マラソンは30kmまでは余裕で来ていないととはよく言うが、もう脚のバネは大分死んでいる。たった数回のアップダウンが脚に響く響く。それでも登りはまだしのげる。どうにもならないのは降りだ。ひざのばねはもう完全に死んでおり、脚にダメージがダイレクトに響く。登りよりくだりのほうが辛いとはよく言われることだけど、ここまで実体験で痛感したのは初めてだ。一歩一歩激痛が走るので、恐る恐る歩くような感じで駆け下りるしかない。
33km地点。再び高橋尚子さん登場。この一番辛いこのタイミングで現れるとはやはり分かってらっしゃいます♪ 今度はしっかりとハイタッチ成功! これで勇気をもらって落ち込んだペースも気持ち盛り返せた、、、ような、そうでないような。。。少なくとも気分的には大分盛り返せた。このあたりでも、沿道の観客とハイタッチするチャンスがあったので、ここぞとばかりに手を挙げる。ハイタッチしていると、駆け抜けようとするからか、心持ちペースが上がるような気がする。いいリズム転換になったかも。
ふと、ちょうど近くを走っていた人が係員に尋ねている声が聞こえる。「ゴールってあれですよね?」そちらに目をやると、山あいの向こうに大きな建物が見える。あれか。あれがゴールか。見えたぞオリンピックスタジアム! これで何とか気力を維持できる。
想定外のラストスパート(35km地点)
35km通過。さすがに辛い。予想通り脚はもうパンパンだ。ここからは、レースはもちろん、練習でも走ったことのない未知の領域だ。持つか後7km?
でも、、、確かに辛いんだけど、、、でもあくまで予想通りだ。予想以上の辛さではない。ここに来て、3週間前に行った35km走の経験が生きてきている。この辛さは経験したことがある。乗り越えられる!
そして手のひらに書き込んだ言葉を見つめる(スポーツドラマやドキュメンタリでもお馴染みの苦しいときに手に書いた言葉で力づけられるって奴。気休め程度にはなるかなと半分洒落でやってみたのですが、意外なほど効果覿面でした!)「今まで努力してきたすべてがゴールにある」。有森裕子さんの言葉を少しアレンジしたもの(ちなみにオリジナルは「ゴールする私の顔をよく見ていてほしい。今まで努力してきたすべてがそこにあるから」という文面)。この言葉を胸に、勇気を奮い立たせる。
同時に、あの強風の浦安ハーフのときのことを突然思い出す。
後7km? 浦安ハーフでいえばちょうど14,15kmのあたり。あのときはもっと辛かっただろう? あのときも脚は完全に硬直し、しかも激しい向かい風が吹き荒れていた。その辛い中、あの時は1km4分10秒台で走りきったんだぞ。それに比べればキロ5分ペースなんて余裕じゃないか。いける。いけるはずだ。
そう考えたら本当に力が沸いてきた。自然と足が前に出る。過去の練習もレースも、すべてが血となり肉となっている。まさかのペースアップ。後半の失速をいかに最小限で食い止めるかをテーマに走ってきたのに、まさかスパートをかけれることになるとは、完全に想定外。そりゃそうだ。この暑さの中の初マラソンという状況で、35km地点からのペースアップなんてどう想定しろというのか。
ゴールへのカウントダウン(35km〜ゴール)
そんなこんなで快調なペースになって。河川敷エリアに入る。桜は残念ながら1週間ずれてしまったけれども、その代わり菜の花と桃の花が最高に綺麗! 長野は、市街地は沿道の応援が素晴らしく、郊外エリアは自然の絶景も楽しめる。実に素晴らしいコースだ。
そしていよいよ残り5km地点通過。3時間ちょうどくらい。残りがキロ6分まで落ち込んだとしても目標達成できる。これはいけるでしょ!
38km地点。前方にゲストランナーの浅井えり子選手が、何人かの市民ランナーを携えながら走っている。距離はどんどん詰まっている。こっちのほうがペースが速い。颯爽と追い抜く。後4km。
39km地点。さすがにスパートが最後まで持つわけもなく、ペースも落ちてきたけど、それでもキロ5分ちょうど。大分貯金が出来たはず。キロ五分はギリギリのペースであって、貯金を食いつぶすマイナスではない。後はこのままコンスタントにつないでいけばいい。
40km地点。ZARDの「負けないで」が流れてくる。定番過ぎるほどの定番ソングだが、こういうとき一番力づけられるのは、こういう定番ものなのだ。後2km。腕振りを大きくして、いったん落ちた気合いを再度入れ直す。目標達成はもう間違いない。
41km地点。見えた!先ほどは遠くに見えたオリンピックスタジアムが、もう目の前に。そして前方には55番の招待選手のゼッケンランナー。いくら女性とはいえ、こんな位置にいるってことはギリシャの招待選手か? でも通常の招待選手とはレベルが違うとはいえ、招待選手は招待選手。それを抜き去るシーンなんて、これもまた全くの想像外。
そしていよいよ、オリンピックスタジアムの緑のシートを踏みしめる。おっ、意外に柔らかい。陸上競技場じゃないからな(というか野球場です♪)。何とも不思議な感じ。もうホントにゴールは目の前。
どんな結果に終わろうとも笑ってゴールする。その決意の通り、ゴールの瞬間は会心のガッツポーズ。両腕を天に突き上げる。
疲労でうまく笑顔が作れていたかどうかは甚だ疑問ではあるけれども、最高のゴールでした!
3時間23分04秒。目標のサブ3.5は見事達成。
ゴール後、フィニッシャーズタオルを肩からかけてもらう。これもテレビで見る一流選手のレースのようで気持ちがいい。タオルも柔らかくて心地よい肌触りだ。
Result
5km | 00:27:40 (27:40) |
10km | 00:49:53 (22:13) |
15km | 01:13:47 (23:54) |
20km | 01:36:39 (22:52) |
Half | 01:41:41 |
25km | 02:00:06 (23:27) |
30km | 02:24:31 (24:25) |
35km | 02:49:17 (24:46) |
40km | 03:12:54 (23:37) |
Goal | 03:23:04 (10:10) |
レース終わって
終わってみれば、初フルを目一杯楽しむこと、目標タイムを達成すること、その両方を目指した欲張りランも、見事その両方を達成。
そして、長野は噂に違わぬ最高の大会でした。沿道の応援のすごさ、自然あふれる光景、後半はほとんどアップダウンの少ない走りやすいコース(その少ないアップダウンですら、ダメージ受けた脚には辛かったですけど。。。)、エリートランナーと一緒に走れるステータス、ボランティア・運営のしっかりさ(特に学生ボランティアの皆様は、初々しくもあり、一生懸命さがこっちにまで伝わってくるので本当に元気をもらえます)、などなど。
今年の応募状況を見ていると、来年以降また参加できるかどうかは分かりませんが、機会があれば文句なくぜひまた参加したい大会です! 運営スタッフ・ボランティアの皆様、そして応援してくれた長野市民の皆様に、ホントに感謝感謝。声を大にして「ありがとう」を伝えたいです。
初マラソンを終えて、ということでまた色々と想うところはあるのですが、いい加減長くなりすぎていることもあるので、それはまた改めて。とりあえず今回はレースレポートのみアップ。
追伸:
今日の日差しは相当強く、両手両足が日焼けで大変なことになっています。最後スパートをかけれたとはいえ、さすがに脚のダメージも相当なもので(ストレッチすら痛くてなかなかできなかったくらい)、しばらくは歩くのも難儀する日々になりそうです。まぁ、当面これで目標レースはすべて終了。ゆっくりと静養します。
<関連する投稿>
- 長野マラソン記録証到着! (2009 年 5 月 8 日)
- 長野マラソンまで後13時間 (2009 年 4 月 18 日)
- 初マラソン完走・感想・感動? (2009 年 4 月 23 日)
- 長野マラソン・オリジナルDVD到着 (2009 年 5 月 25 日)
- 高校時代を超えろ! (2009 年 4 月 25 日)
- 一日遅れのレースレポート@日産スタジアム駅伝 (2009 年 2 月 22 日)
- レースレポート@リスタートタイムトライアル (2009 年 7 月 19 日)
- レースレポート@浦安シティハーフ (2009 年 2 月 1 日)
- レースレポート@柏の葉リレーマラソン (2009 年 8 月 31 日)
- レースレポート@世田谷246ハーフマラソン (2008 年 11 月 10 日)
Comments
Trackback
- TrackBack URL
- https://run.dot-whim.com/200904/401.html/trackback
-
[...] 快走の長野マラソンから4夜明け、筋肉痛も大分和らいできました。 [...]
2009 年 4 月 23 日 23:18 posted by 初マラソン完走・感想・感動? | 時計を忘れて走りに行こう
-
[...] (ちなみに長野マラソンの時に力をもらった「ゴールする私の顔をよく見ていてほしい。今まで努力してきたすべてがそこにあるから(by 有森裕子)」はありませんでした。残念!) [...]
2009 年 5 月 7 日 00:44 posted by そして僕らは風になる〜走ることから学んだ夢をかなえる方法 | 時計を忘れて走りに行こう
-
[...] 過ぎませんが、それらの数字が走っていたときの熱い想いも一緒に思い出させてくれます。体験記と併せてこの記録を見比べていただけると、その裏には色んな想いがリンクしているのが [...]
2009 年 5 月 8 日 21:54 posted by 長野マラソン記録証到着! | 時計を忘れて走りに行こう
-
[...] 6位:レースレポート@長野マラソン [...]
2009 年 8 月 20 日 23:56 posted by 祝一周年!アクセスランキング・トップ10 | 時計を忘れて走りに行こう
-
[...] 長野では思いっきり中だるみしたポイント。今日も25kmを過ぎて両足ともダメージが響いてきます。 けど、ここまで来てこの程度であれば想定の範囲内。そもそもここでの失速は想定通 [...]
2009 年 11 月 23 日 00:00 posted by レースレポート@つくばマラソン | 時計を忘れて走りに行こう
よんだ!招待選手抜くなんて、かっこいいっす!
2009 年 4 月 20 日 07:48 posted by むらおか
>むらおかさん
ありがとうございます! もう後半ペースを上げれただけでも爽快でしたのに、招待選手の黄色いゼッケンを抜いた瞬間は得も言われぬ高揚感でした(というか、ホント出来すぎですね^^;)
ちなみに後でパンフを改めて見てみたら、女子ギリシャ人招待選手(長野マラソンとアテネクラシックマラソンが姉妹提携している関係で、ギリシャ人招待選手枠があるみたいです)のマリア・プルパティ選手で、ベストタイムが3時間3分くらいの選手みたいです。
2009 年 4 月 20 日 17:29 posted by 真琴