【舞台版】風が強く吹いている

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前回の記事以降しばらくラン休止生活に入っていました。先月からぼちぼちとランの方は復活したものの、こちらは実に2ヶ月ぶりの記事になってしまいました。
来週には今年初レースとなる八王子駅伝(しょっぱなから、もがき走が求められるマジ大会です(^^;))もあることですし、ブログの方もぼちぼちと再開していこうと思いますので、今後ともヨロシクお願いします。

 

さて、今日の本題ですが、何度かこのブログでも書かせていただいている「風が強く吹いている」。わたくしこの物語にはホントにはまっていまして、原作小説、コミック、映画ときて、この度ついに舞台版のDVDまで買ってしまいました(^^)。

以前このブログでは、舞台版の出来については懐疑的なことを書いていたのですが(舞台で走りの臨場感を出すのは無理だろうって)、これがどうしてなかなか、かなり楽しめました。というか、一通り見終わった後もいくつかのシーンを何度も見直しちゃったくらいです(^^)。

もちろん走りの臨場感というのは、映画にはさすがに遠く及びませんでしたが、その代わり各キャラの心情については、映画より遙かに深く描かれています。それも10人全員にきちんとスポットが当たっているのが、嬉しいところ。

走るシーンそのものよりも、風が強く吹いているのキャラクターが好きだという人にとっては、映画よりもむしろずっとお勧めできます。特にキングやニコちゃん、異様に日本語がうまいムサ等はかなりいい味を出していました(ただし、クールでツンデレキャラ(^^)のユキが好きな人はちょっとご注意を。だいぶ野暮ったいキャラになっておりました。個人的にはこれはこれでいい味出していたと思いますが(^^))。

演劇独特のセリフの掛け合いや、間の取り方がもうホントうまく効いていて心に染みます。全体的にハイテンションで、コミカルな雰囲気なので、笑いどころもたくさん。演劇ならではの魅力がたっぷりという感じでした。

 

ちなみにセットの関係からだと思いますが、箱根駅伝本番以外のシーンは、すべてアオタケ内で繰り広げられるという思い切った設定になっています。記録会や合宿で起こった出来事は、アオタケに戻ってきたメンバー達の会話として描かれます。このあたりは原作を読んでいないと話の展開が分かり難いかもなぁとも。ちなみにそれだと登場機会のない藤岡さんや榊君は、わざわざアオタケを訪ねてきてくれます(^^)。

そういう細かな違いはあるものの、基本的なストーリー展開や描かれるエピソードは、漫画や映画に比べてかなり原作に忠実に描かれています。そのため、おっあのセリフがここで出てきた、とニヤリとする場面も。残念だったのは、感動の予選突破のシーンが端折られちゃったことかな(アオタケで結果を待つ大家さん達という形で描かれます)。まぁ舞台という制約条件を考えればやむを得ないと思います。

 

そして肝心の箱根本戦のシーンはどうやって舞台で表現するのかと思いきや、何とトレッドミル。中央のトレッドミルに走っているランナー、その周りを囲むように各中継所のエリア(+実況中継&監督車)を配置してすべてのシーンを一つのステージで表現しています。

言葉で書くとまるでギャグみたいなんですが、これが意外にも臨場感あるんですよ。
携帯ワンセグで中継を見ながら応援する選手や、走る準備をする選手、そして走っている選手の心情、それらが目まぐるしく入れ替わり(ある中継所での会話がまだ続いている最中に、他の中継所のシーンが挟まったり)、でも同時に見えている、というのがいい意味で緊張感を生み出していたと思います。

 

それから個人的にうまい演出だなと思ったのが、何気なく描かれていた前半の飲み会のシーン(アオタケだけでシーンを描いているせいで、飲み会のシーンばかりな気もしますが(^^;))。まさかラスト近くであんな風につながってくるとは! そして演劇での回想シーンをあんな風に表現するとは!

上記のトレッドミルの演出もそうですが、制約の厳しい舞台というメディアだからこそ、色々な工夫がされ、それがまた小説とも映画とも漫画とも違った味わいを生み出してくれるんですね。演劇って今まで特に深く見たことってなかったですけど、これを機にはまってしまうかもしれません(^^)。

 

何にせよかなり楽しめました。「風が強く吹いている」は原作、コミック、映画、舞台とそれぞれ違った魅力があり、ますますはまってしまいそうです。また原作読み直してみようかな。

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