「走れば人生見えてくる」間庭 典子

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多くの人が自分を変えたくて走り始めた。あのころの自分に戻りたくて、今の自分より強くなりたくて、新しい自分に会いたくて、走り始めている。(本文より)

走れば人生見えてくる (講談社文庫)」を読了。

走ることで人生が変わった男女14人のノンフィクション・ドキュメンタリー。金哲彦さんのような実業団を経験したエリートランナーから、まったくの運動音痴からある日突然走り始めたランナーまで、走ることにまつわる様々なエピソード集。

ある人はダイエットのため、ある人は失恋がきっかけで、ある人は自分に自信を持つために、ある人は病に見舞われたことで人生を見直して、、、。

走る目的、バックボーンは違っても、同じランナーとして共鳴できるエピソード、台詞がきっといくつも見つかるんじゃないでしょうか。

14人の個々のエピソードは本当に共感できるものが多いので、是非読んでいただきたいと思いますが、一番心に残ったのは最終章の著者のまとめの章。

走ることで本当に人生は変わるのか? ある1人のランナーはこう結論づけます。

でもね、走っても何も変わらないんです。仕事の悩みは仕事で解決するしかないし、恋愛は相手に向き合うことでしか解決しない。

それじゃぁ、走ることに意味はないのか?

走ることで魔法は生まれない。でも、成長したり、自分の見方を変えることで、人生が見えてくる。幸福感を自分で味わうことができるのだ。

この言葉の真意は、14人のエピソードを読めば、あるいは実際に走っているランナーならきっとよく分かるはずです。ぜひ実際に読んで、自分で確かめていただくことをお勧めします♪ そして、きっとまた明日から(人によっては今日から?)走り出そうという気分にきっとなるはずです。

 

この本で紹介されている人達は、ある意味すごい人達が多いですが(ランナーとしてというよりは人間として、、、いやランナーとしても凄いんですが(^^;))、それでも、ごくごく平凡なランナーにとっても通じるものがいくらでもあると思います。

走り始めた人、今まさにランニングを楽しんでいる人にはもちろん共感できることがいっぱいあるでしょうし、また走るのに躊躇しちゃっている人や走るのに疲れてしまった人こそ、この本を読むことで一歩を踏み出す勇気がもらえるんじゃないでしょうか?

走るって、そして走れるってこんなに素敵なことなんだと改めて感じさせてくれる一冊でした。

 

ちなみに、この本で紹介されているランナーの1人が、「自分のランニングは体との対話」と自分自身に向き合うために、レース本番ですら時計をつけないそうです。まさにこのブログのタイトルを地でいくような感じですが、、、私は残念ながらそこまでの域には達しておりません(^^;) 「自分との対話、そのためには時計をつけない」という考え方自体には共感しますが、そこまではなかなか、、、。


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