長文レポート@真夏の北海道マラソン
レース/大会遅くなりましたが、北海道マラソンのレポートです。
相変わらず、自分の備忘録もかねての超長文ですので(^^)、結果と要点を最初に書いてしまいます。
結果は、目標の3時間一桁は達成できなかったものの、3時間12分42秒という、真夏のフルマラソン(スタート時点で28.5度というアナウンスがありました)としては十分好成績。
ただしレース展開は、序盤から積極的に飛ばして後半は仙台ハーフ以来の大失速。前半の貯金のおかげで何とか踏みとどまっての記録という感じでした。まぁ、今回は意図的に「いけるところまでいってみよう」という思いもあったので、反省点ではありますが、後悔はしていないですけど♪
問題の暑さですが、暑さそのものは実はそんなに気にならなかったです。5km以降は2.5kmごとに大量に用意されている給水・スポンジのおかげで、もうとにかく全身水まみれになるくらいかぶって飲んで。今回初めて本番レースで着用したサングラスも正解でしたね。目から入ってくる太陽光が和らいでいるだけで、精神的にだいぶ違いました。
もっとも影響がなかったわけではなく、早々に脚の疲労が現れたりとか、そのあたりはやはり間接的に暑さの影響があったとは思います。脚のダメージが甚大で、暑さに気をとられている余裕がなかったというほうが正確かもしれませんね(^^;)。
ということで、以下詳細なレースレポート。
ホントに思うがままにつらつらと書いているので、無理して読まなくていいですよ(^^)。
■スタート前■
体力を消耗しないようにぎりぎりまで芝生でねっころがっていると、今年の北海道マラソンのテーマソングである「君がいる」が延々と会場内に流れている。出発前のブログにも書いたとおり、ここ数日何度も繰り返し聞いているお気に入りの曲。おかげで心地よくリラックスできました。
■スタート整列■
道路中央側の方だったらまだ前に出れたけれど、少しでも日陰にいて体力温存したくて、歩道側のほうに並ぶ(^^)。というか、スタートまでまだ30分もあるのに、日向に並んでいる方々は勇気あるなぁ……。
続いて招待選手の紹介が始まる。ちょうどうちらのAブロックの前から入場してくるので、前に並んでいれば目の前で見れたのか! それはそれでありだったな! この位置からだとまったく見えません。ってあれ? 土佐礼子選手の名前が呼ばれていなかったような?(結局、欠場だったみたいです)
■スタート■
スタートロスは13秒。これはまぁ短いほうだが、そこから先もまだ大混雑。突っ込まないようにとはいいつつも、これではさすがに遅すぎると、間を見つけて前に行く。そうしてたどり着いた最初の1kmのラップは、、、4分8秒。不思議とオーバーペースだとは思いませんでした。頭の中で思わず「OK」とつぶやく。意識的に前に出たとは言え、飛ばしたというほどの感覚はないし、これで基準ができた。むしろ、これで4分半とかだったほうがショックだった。「この体感ペースで、というか、この後はもっと落としたペースで行っても大丈夫なんだ」という事実がむしろ安心感を与えてくれた。
■序盤■
序盤の目標は4分20秒ペース。最初の1kmで基準が作れたおかげで、その後もいいペースでラップを刻む。
北海道マラソンで一番目立つアップダウンも前日に下見しておいたおかげで、惑わされずに走ることができた。
ただしレース前に不安視していた問題も発生。ここ何ヶ月か悩まされている、スピードを上げて走るとのどに痰が絡んで呼吸困難になる、という症状が今日も発症してしまった。口の中に乾いたつばがたまり、1、2回吐きそうにすらなる。
幸い、北海道マラソンはこれでもかというくらい給水が充実しているし、症状自体は長くは続かないので、回復するまで何とかしのぎながら走る。序盤のラップが、いいペースながらいまいち安定していないのは多分このせい。
■8km過ぎ■
創生トンネルに突入。しまった!こんだけ長いトンネルだと、Garmin君は当然のごとく衛星をロストしてしまう。北海道マラソンは1kmごとに距離表示が出ているのだから、普通の時計でよかったかな。なんか距離表示よりも手前で自動ラップされる傾向があるし(多分、広い道幅の道路を移動しながら走っているから、最短距離よりも長く走っているせいだと思う)。
それにしても、トンネルの中は、足音の響きがすごいな。後ろからものすごい勢いで追いかけられている気がするぜ。
■15km過ぎ■
呼吸困難になる症状は落ち着き始めたものの、一方で早くも脚が重く感じ始める。
北海道の道路は雪対策だか、雪対策用の車対策だかで、関東のロードよりも硬いんじゃないかという話を、過去に北海道マラソンを走っているランナーから聞いた。にしても、早すぎじゃないか? まだ半分もすぎてないんだぜ?
そしていよいよ、北海道マラソン最大の難所といわれる新川通。
噂どおり、日をさえぎるものがほとんどない。そして変化の乏しい炎天下をひたすら走る直線道路。
対向車線の距離表示を見ると、35kmとか。こっちはまだ10何キロとかだぞ?
ここまで折り返してくるのに後どんだけかかるんだよ、とブルーになる。
■20km過ぎ■
先ほどから、何度か似たような集団と抜きつ抜かれつを演じているな。うち2名は女性ランナー。さすが北海道マラソン。女性ランナーとデットヒートを繰り広げるなんて、初の経験だ。
離されてはくらいついて、前にいってはまた後ろから抜かされて。
おかげで脚が重くなって失速しそうなのを食い止めることができる。
(結局この辺りの人達と、30km過ぎくらいまで一緒、、、というか抜いたり抜かれたりでした)
ハーフは1時間32分34秒前後で通過。3時間5分ペース。残りは4分半で走りきれば、目標の3時間1桁は余裕でクリアできる。そう考えると心にもちょっと余裕が出てきたな。
このあたりだったか、もう少し先の辺りだったか。
対向車線に折り返してきた先頭集団が見え始める。
普段テレビの向こうに見えているレース光景が、こうして自分の目の前で繰り広げられているというのはなんとも不思議な気分。ましてや、自分が同じレースを走っているなど、感動してくるね♪
■25km過ぎ■
ようやっと折り返し。
対向車線を走っているはずの知り合いの姿を探しながら走る。幸い見つける(見つけてもらう)ことができた。
それにしても脚はもうかなり重い。だいぶ辛くなってきたな。
……当たり前だ。これがフルマラソンだ。今自分は1年9ヶ月ぶりのフルマラソンを走っているんだから。脚なんて重くなって当たり前じゃないか。望むところじゃないか!
などと、この時点ではまだ余裕をもった感想を持っていたのですが・・・・・・(^^;)。
■30キロ過ぎ■
そんな強がりもむなしく、4分30秒台のラップも維持できなくなってきた。
40秒台になり、ついには50秒も近づく。
さっきまで「望むところだ」などと思っていた余裕は既になくなってきている。
まだ10km以上残っているのに、脚はもうぼろぼろ。いつ歩いてしまってもおかしくないような状態。去年の仙台国際ハーフのときを髣髴させる大ダメージだ。そして、残している距離はあのときよりも、更にある。
・・・・・・。もう先のことは考えないようにしよう。
まずは、次の1kmだけをきっちりと走りきろう。次の距離表示までいったら、また次の1km。そうやって、とりあえずはUstream中継をやっている、仲間が見守ってくれているはずの35km地点まで走りきることだけを考えよう。
今はもう、大きなことをやろうとせず、一つ一つ小さなことを積み重ねていくしかない。
■35km■
Ustream中継も過ぎて、後はゴールを目指すのみ、、、だけど脚はもう完全に棒になっている。ひとつの目標を過ぎたことで、逆に気持ちが折れかける。
後7kmもある。もう後これだけだとは思えない。7km「も」だ。
目の前のことに集中するといっても、それを積み重ねていくには、さすがに限度がある距離じゃないか?
■36km■
ついに5分14秒という、5分を大きく割り込んだラップまで出始める。
ダメージは深刻。何しろ、登りや下りどころか、ただのカーブを曲がるのに脚が悲鳴を上げるほどだ。
だけど、これだけの失速を自分は一度経験している。さっきも書いたけど、ハーフのワースト記録を出した仙台国際ハーフ。あの時も、関門に引っかかってしまうかもしれないけれど、それでも歩かずに走りきるんだと、最後まで歩かなかった。
その経験があったからか、今日はどれだけふらふらになりながらも、歩こうとか棄権しようとは頭をよぎらなかった。タイムについては相当悪いタイム、初マラソンを下回るタイムすら覚悟しながらも、"完走"だけは絶対にするんだ、と。
■残り4km■
残り距離とゴール予測タイムを計算。
何キロか前にも一度やっていたのだが、凄まじく遅いタイムが出て心折れそうになっていたのですが、残り距離が少なくなってきたので再計算(多分、その前の計算は、疲労で計算間違いをしてたんだと思います)。
残りをキロ5分で刻めば、3時間15分は切れそうだ。5分10秒でも大丈夫。
目標の3時間1桁はもうとっくの昔にあきらめていたけれども、15分以内ならばその目標からそう遠くないところで着地できる。
残りたった4km。駒沢公園2周分だ。
最後は体力よりも気力。そして気力は「いける!」という想いによってわき上がる。もう何度も経験してきたことだ。15分以内は「いける!」と思ったことにより、限界だと思っていた体にわずかながらの力が戻る。
■残り3km■
北大キャンパス内を通過。噂どおりの大声援。長野のときも今日の序盤も沿道の応援が暖かいと感じたけれども、ここはまったくの別次元。声援というより、まるで地鳴りだ。体が震えてくる。
先ほどから回復し始めたペースと気力とあいまって、更なる力を与えてくれる。
これならきっと最後までいける!!
■残り2km■
見覚えのある牛の被り物をしたランナーが視界に入る。
これまた15km~30kmくらいまでの長い間、近い位置を走っていたランナーだ。
こちらが失速した後、だいぶ前方に行ってしまっていたかと思っていたけど、まさかまた会えるとは。
「会いたかったぜ、牛(笑)」。心の中でそうつぶやいて、一気に抜き去る。
■ラストスパート■
残り1kmの表示は完全に見落とした感じだが、Garmin君の表示を見ればゴールはまもなく。
15分以内どころか、14分以内、いやひょっとして13分以内が出せるか?
タイムは途中で完全にあきらめていたくせに、こうなると欲が出てくる。
トラック以外がゴールになる大会では、ラストスパートをかけるタイミングというのが難しいが、フィニッシュゲートが目に入ってからは、最後の力を振り絞ってラストスパート!
止めた時計に目をやると。3時間12分42秒。
目標には届かなかったけど、決して褒められたレース内容ではなかったけど、この過酷なレースに果敢に挑んで(参加したこと自体、序盤の積極的な展開含めて)、そして最後まで心折らさずに走りきったこと、反省や後悔よりも、充実感にあふれたゴールでした。
■ゴール後■
JRタワー(札幌)に設置されている<妙夢(みょうむ。感動を手にするという意味もこめられているらしい)>がモチーフの完走メダルをもらい、真夏のレースらしく、シャワーサービスで全身に水をぶっかけてもらう(^^)。
もうしばらくは動けない! もう一歩でも歩いたら、両足ともつりそうな感じ(^^)。
その後もかなりの長い時間、会場内でくたばっていました(笑)。
■終わりに■
ということで、反省点は多々ありますが、それでもこの記録は十分満足しています。真夏のフルマラソンでこの記録が出せたのは、次に向けていい自信になりました。課題も明確になりましたし(序盤で早々に脚がつぶれたのは、路面の固さや夏マラソンの熱さのせいもあるでしょうが、根本的には走り込み不足でしょう)、秋のつくばに向けていい弾みになったと思います♪
ところで、普通の(秋や冬の)大会に出たら、一般的に北海道マラソンの記録より10分以上はいい記録が出せるとう話がありますが、、、「以上」の範囲ってどれくらいでしょう(笑)? なんかその理論から行くと、ぎりぎりサブスリーに届かないってところじゃないか?? うーむ(笑)。
追伸:公式サイトでタイム検索がアップされていて、なんと男子の部で400位だったらしいです。素晴らしい順位じゃないか(笑)。
(以下ラップ)
実際の距離表示でのラップではなく、Garmin君の自動ラップでの計測です。
なので実際のタイムとは違うところがありますし、ところどころ補正のためのラップが入っています。ご了承を。
start loss 13.68
1km 4'08"51
2km 4'17"01
3km 4'22"05
4km 4'19"17
5km 4'16"98
6km 4'10"97
7km 4'11"57
8km 4'18"86
9km 4'05"19 トンネルでGPSロスト
10km 4'22"33
(10km 補正) 27"56 補正
11km 4'15"60
12km 4'27"03
13km 4'22"38
14km 4'22"97
15km 4'29"68
16km 4'26"10
17km 4'29"14
18km 4'29"33
19km 4'28"83
20km 4'25"50
21km 4'29"44
22km 4'29"92
23km 4'25"20
24km 4'30"28
25km 4'35"21
(25km 補正)11"87 補正
26km 4'34"17
27km 4'23"09
28km 4'35"33
29km 4'35"00
30km 4'41"29
31km 4'45"01
32km 4'49"38
33km 4'49"44
34km 5'01"99
35km 5'07"63
36km 5'14"47
37km 5'06"73
38km 5'08"88
39km 4'43"29
40km 4'42"71
41km 4'36"99
42km 4'35"76
Goal 57"92
<関連する投稿>
- 新たなる目標@北海道マラソンエントリー (2011 年 4 月 5 日)
- 狙うはサブスリー……のはずが@つくばマラソン (2011 年 11 月 28 日)
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仕事中、何度となくレポート読みました。自分が道マラを体験したような気分でいます。あの暑い中、突っ込んで入った勇気もすばらしいですね。TVでみた中盤の直線道路、確かに日陰なんてなかったね。伝統の大会だけあって沿道の応援は賑やかでしたね。でも、結局は自分の力ですよ。諦めない心。それが後半のラストスパートにつながったのだと思います。お疲れ様でした。
2011 年 8 月 31 日 17:23 posted by みぎ姉
>みぎ姉さん
返信遅くなりました。あの後直接お会いして話していましたので、すっかり返信していた気分になっておりました(^^;)。
毎度こんな長文、雑文、何度も読んでいただきありがとうございます(^^)。
応援は凄かったですね。特に北大キャンパスの応援は「凄いよ」とは事前に聞いていたんですが、それでも想像以上、ホントに今まで経験したどの応援よりもでした。あれは一度は経験しておくべきです!(経験するには、この過酷な北海道マラソンを39kmくらい走りきらないといけませんが(笑))
そして、走っている途中も、この1年9ヶ月の皆さんと一緒に走った練習、皆さんの顔が思い浮かんでいましたよ。キントラはもちろん、みぎ姉さんと走った多摩川42km走も。最後のラストスパート、自分の力だったかもしれませんが、その力をつけさせてくれたのは、そして発揮できたのは、皆さんのおかげだと思っています。ありがとうございました。
2011 年 9 月 6 日 22:09 posted by 真琴
こんにちは。2度目まして!です。
北海道マラソンお疲れさまでした。素晴らしいタイムと臨場感あふれるレポート。
なんだか興奮してきました。
私はテレビで拝見しており「暑そうだなぁ〜お気の毒に」と思っていましたが
その上、道路も固かったのですね。 ほんとうに、素晴らしいです。
つくばも出られるんですね。私も出ますが、へなちょこなので
ともかく完走が目的です。
真琴さんとは全然次元が違いますが(笑)楽しんで挑みたいです!
頑張ってくださいね♪
2011 年 9 月 14 日 10:52 posted by teke
> teke さん
嬉しいコメントありがとうございます♪
北海道マラソン、暑さに路面の固さにと噂通りのハードな大会でしたが、その分心に残るとても素敵なレースになりました。
tekeさんもつくば出られるんですね。どんなレベルであっても楽しむのが第1です♪ お互いめいっぱい楽しんできましょう! 写真に載っけている○のシャツを見かけた際には、きっと私か私のお仲間たちですので(結構な人数参加する予定です(^^))、是非応援をしてやってください(^^)。
2011 年 9 月 14 日 22:08 posted by 真琴