横浜国際女子マラソン終了のニュースに思ったこと
ランニング雑感横浜国際女子マラソンが今回を最後に打ち切りという、ちょっと衝撃的だったニュース。
女子ではない自分には直接的には関係ないとはいえ、色々と思うところがありましたので殴り書き。正直、あまりまとまりませんでしたが、、、。
横浜国際女子マラソンが11月16日に実施されることしの大会を最後に終了することが22日、関係者の話で分かった。日本陸上競技連盟とともに主催する朝日新聞社などが、大会の財政難を理由に継続を断念したという。日本女子の繁栄の基礎を築いた前身の東京国際女子マラソンを含めると通算36回目となるレースを最後に、歴史の幕を下ろすことになる。
世の中は、もはやバブルと言ってもいいくらいの、「ちょっと度が過ぎているんじゃね?」と思わされるほど空前のマラソンブーム。
ある意味、マラソンに興味を持っているという人がこれ以上ないくらいいる状況だというのに、横浜国際女子マラソンほど歴史のある(東京国際女子マラソン時代も含めて)大会が、財政難=世間に興味を持ってもらえていない状況だと言うのは、皮肉なもんだなぁ。と。
なんか奇しくも、堂場瞬一「ヒート」で予言されていた通りの展開になってきた感じがします。
マラソンの大会で最も格が高いのは、世界最高を記録したレースだろう? 市民マラソンで三万人が参加しても、それは単なるイベントに過ぎない。素人が走るのを見て何が面白いんだ。(堂場瞬一「ヒート」より)
でもって、やっぱり「ヒート」を読んだ時と同じような感想を持ってしまう訳です。
東京マラソンをきっかけに広がったブームで、確かにマラソンランナーの裾野が広がった。それはもう、これ以上ないくらいに。これは素直に喜ばしいことだと思います。
でもやっぱり、それだけではダメだと思うんです。
仙台ハーフも、北海道マラソンも、名古屋ウィミンズ(旧名古屋国際女子マラソン)も、別大も、今や市民マラソン化に舵を切ってしまいました(別大はそれでもまだ、3時間半というステータスを担保しているが)。
でも、ブームになってマラソンに興味を持ってくれた、実際にマラソンを走ってハマってくれた、そうした人たちが次の大きな目標とする、憧れの夢の舞台としての意義が、こうしたエリートレースにはあったと思います。
特に横浜国際女子マラソンをはじめとする国際大会には、「いつもテレビで見ていたあの舞台を、エリートランナー達が駆け抜けている同じ舞台を「同じ土俵で」自分も走れる」というこれ以上ないモチベーションが。
そうした大会にいつか出ることを目標に、モチベーションを高めている人たちは多かったと思います。
その目標がある日突然、ぷつっと無くなってしまう。
その心中は察するに余りあるものがあります。
今回の横浜国際女子マラソンのように、大会そのものが無くなってしまった訳ではない場合。
制限時間が緩和されて、憧れの大会に出れるようになって嬉しい、もちろんそういう人もいると思います。でも、例えば後3分タイムを縮めればこの大会に出れる!というところまで頑張ってきた人が、「来年からは誰でも出れるよ〜」と言われたら、かなり拍子抜けした気分、嬉しい反面、はしごを外されてしまったような気がするんじゃないでしょうか。
幸い、記事を見ると、陸連は後継大会を作るつもりはあるようです。
そのときには、是非、安易に市民マラソンと合同での開催にならず、あくまでも、目標となる、夢の舞台となるような大会として残ってくれることを祈ります。
(ただ、スポンサー減少による資金難だとすると、場所の問題でもない気がするけれども、、、安い場所を探すってことか??)
※ 一応言っておきますが、制限時間の長い、大都市型市民マラソンを否定している訳ではないですよ。そういう楽しむ大会はあっていいと思いますし、むしろ必要だと思っています。それとは別に、エリート志向の大会もまた必要だと思っている、ということですので
そしてもう一つ。
これも以前から考えていたこと。
震災で、色んなマラソン大会が中止になったときに、こんな記事(レースは一期一会@長野マラソンも中止決定)を書きました。
あの時と全く同じ感想を、改めて強く感じました。
今あるこのレースを、来年、同じように走れる保証なんてどこにもない。
来年は開催されないかもしれない、故障して走れないかもしれない、抽選になって落選しちゃうかもしれない、大会の形式ががらりと変わって自分が走りたいと思える大会じゃなくなってしまうかもしれない。
だから、興味を持ったなら、そのときに迷わず飛び込むべきなんだと。
また次があるなんて簡単に考えずに、せっかくの機会を、目一杯、そして全力で楽しむべきなんだと。
まぁ、しばらくランから遠ざかっていて、身体がなまりまくっている自分がいう台詞ではない気もしますが、、、(^^;)。
ということで、前々から考えていたことではあったし過去に記事にしたこともあったんですが、今回のニュースで改めて強く感じたので、書き残してみました。
そのくせにまとまりのない文書で失礼しました。
ps: そういえば、来年はオリンピック選考レースになるというのに、どうなるんだろうなぁ。
新設レースがいきなり選考レースになるのか、それともいつぞやのように長野マラソンとか別のレースを選考大会にするのか、潔く世界陸上+2大会で選考してしまうのか(そもそも、3人の枠を決めるのに4大会ってことで毎回すったもんだしていたけれども、スポンサーの思惑で大会を減らせないって話だったモンなぁ。今度はそのスポンサーの減少で大会が無くなるとは、これまた皮肉な話だわ)
<関連する投稿>
- レースは一期一会@長野マラソンも中止決定 (2011 年 3 月 22 日)
- いよいよ北海道マラソン (2011 年 8 月 26 日)
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まさしく同じことを考えていました。
「参加資格をクリアして、この大会に出たい」というモチベーションで走ってきた市民ランナーは一杯います。”制限時間が緩くなって、出れるからいいじゃん” というワケではないのですよねえ。
それだけに、湘南ハーフや(緩くなったとはいえ)別大や奥多摩渓谷駅伝などに出れる幸せを感じて走らねばいけなのですねえ…
(奥武蔵駅伝完走も夢なのですが…)
2014 年 10 月 23 日 22:51 posted by オーリンゲン
> オーリンゲンさん
コメントありがとうございます。
そうそう、やっぱり夢の舞台は、夢の舞台であり続けて欲しいですよね。
今後も市民マラソン化の流れは止まらなそうですので、ホントに数少ないそうした舞台を走れることはホントに幸せなことですよね。
にしても、奥武蔵駅伝、夢ですねぇ〜(^^)。
2014 年 10 月 24 日 07:36 posted by 真琴