世田谷ハーフの誘導ミスに(ちょっとだけ真面目に)思うこと

レース/大会

先週参加してきた世田谷246ハーフマラソンでは、誘導ミスによりハーフに1km満たない20km弱でのゴールという残念な結果に終わった。新聞やニュースでこの手の事故の話はたまに聞くけれども、まさか自分が同じ目に遭うとは完全に想定外でした。

この一週間のアクセスログを見ると、"世田谷ハーフ 誘導ミス", "世田谷 ハーフマラソン 1km"などの検索ワードで訪れている人がちらほらいて、やはり他の参加者の方にとっても関心の高い事件であったようだ。他の人のブログも覗いてみると、やはり「せっかく公認大会になったのに!」と憤りを感じている人も少なくない。ただ、個人的なことだけを言えば、拍子抜けこそしたものの、実は別にそれほど怒りは覚えていなかったりもする。

幻の20km地点

幻の20km地点

 

そもそも「公認大会なのに」とは言っても、陸連登録していない自分にとっては公認記録が手に入るわけでもない。公認大会であるということは、単純に「信用の証」という大会ステータスでしかなく、別にそのこと自体にこだわりはない(現に非公認だった去年の大会にも出場しているし)。その「信用」を損ねるようなことをしでかしたのだから、その責任は問われるべきだろうけれど、それは一参加者である私にはまた関係のない話だ。

それから、自己ベストが確実なレース展開をしながらも、ラスト1kmでそれが台無しになってしまった。それはそれで確かに残念ではあったけれども、それも別に大した問題だったとは思っていない。記録そのものが大事だったんじゃなくて、あのまま走っていたら確実に自己ベストを更新できていた、そういう走りができたという事実の方が自分にとってははるかに重要だったからだ。これが後3kmとか5kmとか残っていたのならともかく、残りたった1km、そのときの体力の残り具合を併せて考えると、実際にゴールできたであろうタイムはある程度正確に予想できる。1秒を争う勝負でもないし、その予想タイムに10秒や20秒程度誤差があったところで、自分の走りの評価に大差はない。

だから別にショックもないし、むしろ楽しいネタになったとすら思っているくらいだ(もちろん、怒る人の気持ちは十二分に理解できるので、あくまでも個人的には、ってことです。特にハーフマラソン初挑戦の人は気の毒だったろうな。。。)。

 

どちらかというと「何故ミスが起こってしまったか? どうしていれば防げたのか」という方が個人的には興味がある。いわゆる「失敗学」という奴ですな。

人間のやることなのだから、ミスは当然ある。世界陸上ですら(起こっていいとは決して言わないが)ミスが出るのだ。それを運営ミスと一言で片付けてしまえば楽だけれども、それではあまりにも進歩がなさすぎるし、外野から文句だけをがやがや言うのは趣味じゃない(と言っても、やっちゃうことは多々あるけど、、、これもまた人間だし。。。)。

今回の場合、10kmや5kmのランナーと、ハーフマラソンのランナーでコースが違うことは始めから分かり切っていたことのはずだ。ゼッケンの色で区別することも当然指示がいっていたはず。「間違えないようにね」と一言念押しさえされていれば誘導員だって注意していただろうし、いくらバイトやボランティアであったとしても、念押しされてなおかつ間違えるほど誘導員がお馬鹿であったとも思えない(大体一人でもなかったはずだし)。それとも実はそれほどお馬鹿だったのか? 

あるいは、誘導以外の仕事も並行してこなしていたため、片手間になって注意力が散漫になっていたか? これはちょっと正解な気がするな。誘導を他の仕事と兼任するとは普通は考えられないけれども、区の主催程度では十分な係員を確保できなかったとなればありえる話ではある。

もしそうだったとしたら、じゃぁどうすればよいか? アルバイトをもっと確保するために参加料を上げて参加者の負担をあげるのか? 誘導は専任にして、その代わり他の係の仕事を増やすのか?

こう考えると、思いつきで考えつくような対策では別のところにしわ寄せがいくだけで、単純に「ミスするな」で片付くほど簡単な問題ではないと分かる。真剣に考えてみると、リソース最適化みたいな話になって、なかなか興味深いテーマではある。

正解は分からないけれども、「どうすれば防げたか」というのは是非、運営の方々にも是非真剣に検討してもらいたいところだ。

 

まぁ長々と書いてみたが、とは言っても、二度と味わいたくはない事件であるのは間違いのないところ。走りきったと思っていたのに、後になって「いやぁ実は距離短かったんです」と言われるのもショックがでかいだろうが(というかショック自体は間違いなくそっちのほうが大きい!)、コースが明らかに間違っていると分かっていながら誘導に従って走らなければいけなかったあの虚しさ。スパートもかけれず首をひねりながらゴールした不完全燃焼っぷり。さすがにあの思いは二度と味わいたくないなぁ。

 

公式発表:http://www.city.setagaya.tokyo.jp/020/d00010086.html

 

 

余談。世田谷ハーフマラソンのパンフを改めて見てみると、高野進ランニングクリニックの報告(?)ページが載っていた。よくよく見てみると、あっ、私が写真に写っている。。。

ランニングクリニック

ランニングクリニック



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Comments

  1. 非常に同感できる書き込みでした。
    なぜか私もあまり憤りってなかったです。
    あ~ら、やっちゃたねえ(^_^; てな感じ...
    ある意味、世田谷区民マラソンのころから出ているからかも? (実は、区民マラソンのときにも誘導ミスがあり、私はそれを振り切って正しいコースを走って見事1位になったことがあるのです(^_^)

    ところで、写真、気がつきませんでした。確かに!

    2008 年 11 月 17 日 23:48 posted by 野川のカルガモおとーさん

  2. >野川のカルガモおとーさん さん

    コメントありがとうございます。
    レース後の会話でも、みなさん完全にネタとして話せてましたからね。
    それにしても、誘導を振り切って先頭でゴール。。。とっても素敵です♪

    写真は私も最初は完全に見落としてたんですけど、改めて観てみたら「あっ」っと、誰もいないのに思わずつぶやいてしまいました。

    2008 年 11 月 18 日 22:33 posted by 真琴






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